みかみかみかみ

おたくの雑記用ブログ

HEROコンビ好きから万丈目サンダーに愛を込めて

 前回の記事が100PVを超えていました。Twitterでもご反応いただいたり皆さんのGXのお話のタネにしてくださって嬉しかったです。ありがとうございます。

 GXの感想ブログが流行ったらいいなぁ。(ずっと言ってる)

 

 二つ目となる今回も引き続きHEROコンビおたく目線ではありますが、中心に万丈目サンダーを据えたタイトル通りの内容になります。

 本当は8/1に上げたかった…!誕生日おめでとうサンダー!

 

◆◆◆

 

 前回も作中の「オカルト」要素側にいる十代、「ビジネス」要素側にいるエド、その丁度「真ん中」にいる万丈目として三人の位置関係について触れたが、今回はキャラの心情や関係性に寄った話を書いていきたい。

 

HEROコンビ好きから万丈目サンダーに愛を込めて

 

 

はじめに

 前回GX未視聴の方にも記事を閲覧していただいたと知り後悔したので、少しだけ詳しく解説する。GXファンの方はサクっと読み飛ばしてほしいが、未視聴の方が読んでも面白く書ける自信はないのでご容赦いただきたいと思う。

 遊城十代エド・フェニックス(HEROコンビ)に関しては前回の記事を参照。(というか、はてブロさんは用語紹介ページのリンクを多くの固有名詞に自動で貼ってくれているので実は解説が不要説もある…身も蓋もない…)

 

万丈目準とは…

 デュエルアカデミア高等部に中等部からトップで進学したエリートとして登場する。敗北をきっかけに一度自らアカデミアを去るが、単身乗り込んだ他校・ノース校を降し復活。その際「万丈目”さん”だ!」と敬称を促す彼のセリフから派生した「万丈目サンダー」という愛称が生まれる。

 その後も様々な試練や苦難を経験することになるが、持ち前のデュエルの才能や物語中で培った精神力で乗り越えていく。

 使用するデッキタイプは多種多様だが、主力のテーマとしては「VWXYZ(ユニオン)」「アームドドラゴン」に加えて、ノース校に流れ着いた際出会った精霊「おジャマイエロー」を含む「おジャマ」が挙げられる。

 

HEROコンビそれぞれとの関係性…

 十代のライバルの一人。度々対戦の機会がある。

 エドに付き人として弟子入りし、プロとして進路が決まるきっかけとなった。

 (あまりにもざっくり)

 

 魅力的なエピソードが非常に多いキャラクターだが、その中でHEROコンビと関わりのあるものを挙げながら、3人の作中での役割・関係性の描かれ方について触れていきたい。

 

 

“敗北”の共有—十代と万丈目

 第2期序盤で十代はエドに敗北し、エドのデッキに込められていた斎王の力によってカードが見えなくなり、かつてないほど意気消沈する。万丈目の焚きつけるような「オレは這い上がってきたぞ!」という言葉も、悄然の十代には届かなかった。

 そして学園から十代は一時的に姿を消してしまう。十代不在の最中、今度は万丈目が斎王に敗北を喫する。万丈目は斎王の力によってマインドコントロールされ、斎王の配下となり「光の結社」に下ることとなった。

 主人公が敗北で消沈している裏側でライバルキャラクターも敗れ洗脳に遭うという、表裏一体のシナリオが2期らしい。さながらカードの裏表、タロットの正位置と逆位置のようである。

 

 その後、十代が斎王の力によりマインドコントロールを受けた万丈目(ホワイト万丈目)を正気に戻す闘いに臨む中、自身がエドに敗北したときの回想とともに心境が語られている。

 「どんなに楽しくデュエルをやったってさ、負けたら悔しいしつらくもなる」

 「友達はそんな思いしてたのにオレは気づかなかった、そんな自分にムカついているのさ!」

 十代の万丈目への語り掛けは、斎王による「倒したい対象であるはずの十代と馴れ合っている」という万丈目への指摘をそのままなぞるような発言とも解釈でき、必ずしも正確なピントで万丈目の心境を理解しているとは言えないかもしれない(それが二人のコミュニケーションの魅力であるとも思う)が、エド戦により「敗北」を知った十代の「共感」の力の成長を感じられるシーンである。

 

 物語序盤の1年目から、十代は何度か敗北している。しかし、カイザー戦にしろカイバーマン戦にしろ「強敵との出会いは楽しい」「負けを恐れない」といった比較的ポジティブな意味合いの敗北であった。

 一方、万丈目は1年目の序盤で十代や三沢との闘いで敗北の辛酸を多々舐めている。学園を去り、一人海を漂いながら「勝ちゃ楽しいだろう」と悪態をついたりもしていた。「何がゲロッパだ」。

 ノース校から帰還した万丈目との闘いの中で、十代は彼が課せられている勝利へのプレッシャーを知ることになる。時に手段さえも選ばなかった万丈目の、勝利への執着の一端が裏付けられるエピソードだ。十代は次なる闘いでそのしがらみの解消を望み、重圧と闘った万丈目を称えフォローするが、敗北した万丈目本人によりその言葉は遮られてしまう。

 

 十代のエド戦での敗北は、そんな二人の関係性がまた一つ厚みを増す心の交流のきっかけのように思う。前回の記事とも重なる部分はあるが、十代が関わった人々に変化をもたらすだけでなく、「十代自身も人との出会いで変わっていく」エピソードの一つと言えるだろう。

 エドは十代とのデュエルでかつての自分のHEROへの想いを思い出す。十代はエドとの闘いで真の敗北を知り、新しいデッキを得るだけではなく、その痛みから共感の力を育み、仲間(万丈目)への想いへと還元している。

 

 そして、斎王の洗脳が解け正気に戻った万丈目は、斎王から与えられたカードを破壊することで自らのライフポイントをゼロにし、デュエルの幕を下ろすこととなる。

 このときデュエルを観戦していたエドが「どうしても倒さなきゃならないモンスターがいる…その気持ち、僕には分かるがね」と、父の命を奪った“究極のD”を倒す決意を示唆しながら、万丈目への共感を示している。一見自滅にも見える万丈目の選択の気高さを強調するとともに、後の4期で深い関わりを持つ二人であることを思っても印象的なセリフとなっている。

 

 十代と万丈目、そして当時は接点らしい接点のなかったエドと万丈目が「共感」というキーワードで呼応する。この闘いの中で、十代・万丈目・エドの3人が関わる過去・未来のエピソードを巧みに繋げているのだ。

 

 

「出会い」の集大成—万丈目とエド

  波乱の異世界編を経ての第4期、いわゆる「万丈目就活回」において二人の関わりが一つのエピソードとして描かれる。

 プロデュエリストへの就職活動に難航した万丈目は、付き人としてエドに弟子入りし、エドのプロデュエリストとしての努力・覚悟を学ぶ。そんな中、スポンサーである千里眼グループの社員・マイクの“最後のD”のカード窃盗によりエドは一度引退を強いられるが、十代の助力もあって事件は無事解決。“最後のD”はエドの元に戻り、万丈目はエドと正々堂々闘い見事勝利をおさめた。

 

 万丈目とエドにとってGXの物語最後のメイン回。言わばそれぞれの集大成とも言えるエピソードだ。二人のデュエリストとしての実力が発揮されているのはもちろんのこと、この回には何より、彼らのデュエルアカデミアでの「出会い」の意味が詰まっている。

 

 闘いの直前、万丈目は十代に「お前にしか頼めない」と、マイクに盗まれた“最後のD”の奪還を依頼する。エドはもちろんそのことを知らず、マイクの脅しのままデュエルに臨んでいた。

 当初は年下であるエドの付き人になるのも渋っていたプライドの高い万丈目が、(責任を感じているとはいえ)エドを助けるために、宿敵・十代に頭を下げるのは彼の心境の変化そのものだろう。エドのことを認め、異世界編以降少し疎遠に感じられた十代との絆を再確認するようなシーンにもなっている。

 それはエドにとってもそうである。登場からいわゆる「はぐれ」的なポジションで単独行動が多い彼は、誰かを助けようとするシーンはあっても、誰かから実際的なピンチを助けられるのはこの万丈目とのエピソードが初なのだ。プロである彼がこの学園に来た意味が、彼にとってのクライマックスで一つささやかに花開いている。

 

 そしてやはり、彼らの「出会い」の中心には十代の存在がある。

 奪還に成功した十代から手渡され、エドが召喚する“最後のD”―即ちDragoon D-END―は、(厳密にはHEROの名を冠してはいないものの)D-HEROで最初の融合モンスターである。そして「融合」は、物語を通して「遊城十代の“力”の象徴」として描かれているカードだ。彼との出会いによって得た力が“最後のD”となって具現化し、エドのフィールドに君臨する。

 そして迎え撃つのは万丈目のアームドドラゴンLv.10。想像の域は出ないが、D-ENDがHEROの代わりに「Dragoon」を冠しているのは、この共に攻撃力3000の「ドラゴン」の対決を表現するためではないかと考えている。(D-ENDは戦士族なので名前だけの「ドラゴン」ではあるが…)

 GXは前作『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』へのリスペクトが特に強いシリーズである。それに倣い攻撃力3000のドラゴンを操る姿が“ライバル”の表現であるなら、ここでの万丈目とエドの闘いの中心には、主人公―十代―の存在があるに違いない。

 

 しかし勝負を決めるのは「プライド・シャウト」で攻撃力を得た万丈目の「おジャマイエロー」である。彼は彼だけの道を征く。それもまたGXらしい決着と言える。

 そしてダメ押しの如く「今日の最強カード」の紹介ではD-ENDの紹介に「おジャマイエロー」が割って入る。その際の万丈目のセリフは「HEROデッキなどに負けはしない!」。万丈目にとって、十代に勝利経験のあるエドとのデュエルは、疑似的に十代との闘いであったかもしれない。本編中のデュエルで万丈目が十代に勝利したことは無かったが、今なら分からない…そんな表現と捉えることもできる。

 エドの覚悟と万丈目の成長を描いたこのエピソードは、十代の存在を介して対等な「ライバル」として対を成した二人の、それぞれの十代との出会いの意味を物語っている。

 

 余談だが、先で語った2期の十代vs白万丈目ではおジャマたちへの「エース」呼びは「なんか気持ち悪くないか?」と茶化されるギャグ描写だった。それが物語の最後、「本当のエース」としてフィニッシャーになっている。この闘いで万丈目のおジャマたちとの出会いもまた昇華されているのだ。

 

 

二人に無かったもの―HEROコンビと万丈目

 「万丈目就活回」の別アングル、HEROコンビから見る万丈目の話をしたい。

 4期、異世界編で仲間を巻き込んだ責任を感じている十代は、仲間たちを避けて行動することが多くなっている。ミスターTとの闘いの後に若干の「雪解け」の描写はあるものの、その後世界に迫る脅威の中、十代が積極的に仲間を頼るシーンは多くない。

 エドも言うまでもなく、一人で闘うこと・一人で生きていくことに慣れてるような生い立ちと性格である。デュエルの特訓も明らかに思い詰めすぎだ。なんせ血が滴っている。

 

 先にも書いた通り、この回で万丈目は十代を頼り、エドを助けるのだ。

 一人で闘うことに若干躍起になっているとも言える当時の二人には決してできなかった選択であるように思う。

 実際エドはマイクの脅しのままデュエルを受けており、その後どうするつもりだったのか謎である。ややもするとそのままプロを引退していたかもしれない。

 

 「万丈目は立派なスターさ!」十代は言う。仲間として、ライバルとして、彼の実力を認め評しているのはもちろん、彼の精神力―泥臭さやド根性、人を頼れる強さ―は十代の瞳にさぞ鮮やかに映ったのではないか。

 そしてそれはエドにとっても同じであるように思う。この困難は彼一人では越えられなかった。彼が一度受けた恩は忘れないタイプなのは間違いなく、きっとこの経験は彼にとってかけがえのないものである。

 

 「HEROコンビ」と呼んでいる所以として、十代とエドが彼らの中にいるそれぞれの「ヒーロー」に憧れ指標にしている、という共通のキャラクター解釈がある。

 それらは異なる姿をしており、異なる信念、異なる概念であるが、おそらくどちらも「かっこつけ」だ。十代もエドも十二分に挫折を知っているが、彼らが指標にする「ヒーロー」はきっと挫折を知らない。這い上がり方を知らない。

  しかし彼らは万丈目の姿にそれを見たのではないだろうか。万丈目が持つオリジナルの強さは、彼らが持たざる強さだったはずだ。そこには彼への尊敬もあり、異世界での傷が未だ癒えきらない彼らにとっての光もあったのではないか。

 万丈目とエドの間に十代がいたように、十代とエドの間にも万丈目がいる…そのようなエピソードだったと考えている。 

 

 

 まとめ

 回を重ねるごとに成長していく多彩なキャラクターたちと、多角的な相関図はGXの大きな魅力である。十代・万丈目・エドの3人が絡むエピソードはその一例であると言えるだろう。三者三様の強さや魅力をそれぞれが際立たせている。

 

 

おわりに

 ここまで読んでくださってありがとうございました。存外長くなってしまった…!

  前回とはまた記事の毛色が違うのと、何より万丈目の話を書くにあたってめちゃくちゃ緊張してまして、途中何度か書き直しています。緊張のあまり予防線を張りすぎてしまい、鬱陶しかったので全部消したりとか…笑

 強いて何かを名乗るなら「HEROコンビ好き」の私ではありますが、そこから溢れる万丈目サンダーへの愛!!!が少しでも伝わっていたら嬉しいです。

 

 ここぞとばかりに雑談しちゃうんですが、万丈目ってメインキャラとしては珍しく使用デッキは既存テーマが多かったんですよね。(もちろん新規カードでの強化はありつつ)

 当時もアニメオリジナルテーマがアニメに登場→OCG化の流れがほとんどだったので、知ってるカード使ってくれるのが面白かった記憶があります。そういうデュエル面での感情移入のしやすさも人気も一因かもしれませんね。使用デッキが多いのもOCGプレイヤーっぽい。all攻撃力ゼロデッキで勝つvs長作兄さん回とか大好きです。

 

 今回はHEROコンビが絡むエピソードだけでこの文量だったので、サンダーに関して書きたいこと全部書いたら大変なことになりそうです…。

 

次回の内容は未定ですが、またGXの感想記事など書けたらいいな~と思ってます!

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